ひと夏をかけて取り組む ─ 日本経済論ディベート

ディベートの試合風景
日本経済論
ディベート

日本経済をテーマとして関東・関西の大学が参加している渋沢栄一杯ディベートリーグ(毎年10月に東京で開催、北海道からの参加は北星のみ)に北星ディベートチームとして出場する授業です。ディベートの準備に学年を超えてチームとして取り組み、大学生らしい知的な夏を過ごすことで、経済を自発的に深く学び、資料・統計の意味を読み取る力やプレゼンテーション能力を磨くことができます。全国の他大学の学生と同じテーマに半年間をかけて取り組んだ者同士として深く交流することができる(卒業してからもお互いの結婚式に駆けつけたりしているようです)のも、この授業の魅力のひとつです。

2018年大会では、北星は肯定・否定両チームとも勝利し、慶應義塾大学には及ばなかったものの初めて準優勝し、北星の学生が大会MVPを獲得しました。

2018年に準優勝。閉会式後、優勝の慶應と記念写真。

これまでの大会テーマ(北星の参加以降のみ)

  • 2008 非正規雇用の正社員化は日本経済にとってプラスか
  • 2009 日本は農産物の貿易自由化を促進すべきか
  • 2010 環境税(炭素税)導入は日本経済にとってプラスか
  • 2011 日本企業が製造拠点を海外に移転することは日本経済にとってプラスか
  • 2012 日銀がおこなった量的緩和政策は日本経済にとってプラスであったか
  • 2013 日本企業はCSR 活動を推進すべきか
  • 2014 田中角栄『日本列島改造論』は日本経済にとってプラスであったか
  • 2015 株主重視のコーポレートガバナンス改革を推進することは日本経済にとってプラスか
  • 2016 日本は外国人労働者の受け入れを推進すべきか
  • 2017 日本は財政健全化を進めてプライマリーバランスを5年後までに黒字化するべきか
  • 2018 (2009年大会と同テーマを再び扱う)
  • 2019 日本版ビックバンは日本経済にとってプラスであったか
  • 2020 国鉄分割民営化は日本経済にとってプラスであったか
  • 2021 雇用・労働の規制緩和を推進することは日本経済にとってプラスか
  • 2022 脱炭素化を推進することは日本経済にとってプラスか
  • 2023 日本銀行の「量的・質的金融緩和」政策は日本経済にとってプラスであったか

平田 さん

  • 北見柏陽高校出身 2020年入学
平田さんの写真

「脱炭素化を推進することは日本経済にとってプラスか」というテーマで、肯定チームとして出場しました。太陽光など発電に関わる部分だけでなく、日本政府や世界の脱炭素をめぐる動向にも目を配り、たんに脱炭素すべきというのではなく、その経済的なメリットに焦点をあてて立論を組み立てました。

夏の練習試合で惨敗したことで課題が見つかり、本大会に向けてチームの一体感が出たと思います。わたしは最終弁論を担当し、本大会では用意していた原稿を見ずに相手チームや観戦者の反応を見ながら主張することができました。チーム全体のモチベーションに気を配りながら準備を進めた半年間の経験を社会に出てからも活かしていきたいです。

佐久間 さん

  • 北広島高校出身 2020年入学
佐久間さんの写真

わたしが担当したのは、相手チームの立論の矛盾点を指摘する反駁という役割です。2週間前に相手の立論レジュメが届いてから、本大会までは朝から晩まで学校にいて、相手側の出典にあたりつつ検討を進めました。練習試合のときに相手からの質問に焦ってしまったことを反省し、本大会には強気で臨もうと決めました。本大会では、フリーディスカッションで落ち着いて発言して議論を優位に進めることができ、奨励賞を受賞しました。

この経験を自信として、就職活動を行うことができました。ディベートというと、話すことが注目されがちですが、わたしは、準備の過程や試合を通して、人の話を冷静に聞く力が身についたと思います。