大学での勉強は、与えられた問題に一つの正解を求める入学試験のための勉強とは異なります。そこでは、自分で問題を発見し、その問題の背景を学び、異なる意見を持つ他者と議論を展開して問題の解決を追求する力をつけることが求められます。私たちの日常生活は、さまざまなモノや人、そして情報によって広く世界とグローバルなつながりを持っています。皆さんが、次のような科目での勉強を通じて、自分と世界の関係を見直し、それぞれの問題を発見・追求することを期待しています。
経済学入門 I ‐フェアトレードから学ぶ経済学は、フェアトレードを具体的なテーマとして取り上げます。この入門ゼミでは、現代世界の南北間に不平等が形成された背景を学び、豊かな北の世界と貧困に苦しむ南の世界の人々が、一つの地球社会に生きるものとして、抑圧と搾取のない公正な貿易関係を結ぶための理念と実践を学びます。
経済学入門 II ‐より良く調べ、話し、書くために‐調査法・プレゼンテーション・文章表現入門では、現実の社会のリアリティーを客観的に把握するための調査の方法(社会調査法入門)、メッセージを他人に効果的に伝えるための話し方(プレゼンテーション入門)、そして書き方(文章表現入門)を実習によって身に付けます。大学の勉強で、また実社会に出てからも役に立つ、自分で調べ、話し・書いて他人に伝えるための基本的な技術を習得することを目指しています。
政治学は、経済学と密接な関連を持つ学問分野の一つです。限られた能力しか持たない人間が、限られた資源を共有して共に生きるための秩序を、権力作用の側面から探求します。政治学
I ‐政治学入門では、自分とは関係のない遠い世界として感じられている政治という人間活動の意義を、その根本に遡って検討します。ルソー、ミル、ウェーバー、丸山真男といった政治学の古典との対話の時間も持ちます。政治学
II ‐バングラデシュ地域研究は、南アジアの国、バングラデシュを取り上げ、先進工業国の政治とは歴史的・文化的背景の異なる社会の政治を学び、政治の立体的なイメージを獲得することを目指しています。現代政治学‐親密圏、自由、公共性の政治学では、生命倫理の問題や、高齢化・少子化対策の問題を取り上げます。現代政治は、これまで政治の領域外におかれていた親密圏にも深い関わりを持つようになっています。この現代政治のあり方を、権力・自由・公共性といった政治における基本的価値の現代的意義を問い直すなかで考えます。
国民国家レベルでの政治が政府という統一権力を持つのに対し、国民国家が並立・並存する国際社会には統一権力が存在しないのが世界レベルでの政治の特徴です。国際政治学‐帝国支配の国際政治では、9.11以降の世界におけるアメリカを中心とした一極支配構造に焦点を当てて、それが形成されてきた背景を学んだ上で、安全保障、南北問題といった国際社会における喫緊の問題を取り上げて、参加者が調査・討論するセッションも設けます。平和学‐グローバル化と平和は、8人の講師がオムニバス形式で展開する講義です。私たちの生存と豊かさを支えているグローバル化という現象が、搾取や抑圧なしに世界の人々が共存することを可能にするのかという問いを、政治・経済・法律・文化といった諸側面から学際的に検討します。受講者が参加するパネルディスカッションも行います。
演習 I ‐国際政治学演習:バングラデシュ地域研究は、貧困解決の手段として世界で注目を浴びているマイクロクレジットや、世界最大のNGO等を生んだバングラデシュの知られざる側面に焦点を当て、現代の世界の中で政治的独立を達成した後も政情不安と経済の不振にあえぐポスト植民地国家の抱える問題を検討します。また、バングラデシュは世界第2位のイスラム教徒の人口を抱えています。演習
II ‐現代国際政治学演習:グローバル化とイスラム復興では、現代国際政治の主要なテーマの一つであるグローバル化とイスラム復興について詳しく学びます。
演習以外の講義でも、参加型の授業展開を行って、参加者が自分で調べ・考え・発表し、討論する時間を設けます。