教員紹介
専門演習 I 、専門演習 II 、卒業論文
専門学校日本福祉学院(1996年3月〜2000年3月)専任教員
梅花短期大学(2000年4月〜2002年3月)専任講師
おおさか介護サービス相談センター(2000年10月〜2008年3月)専門相談員(非常勤)
大阪大谷大学(旧大谷女子大学、2002年4月〜2008年3月)
専任講師(2002年〜)、助教授(2006年〜)、准教授(2007年〜)
北星学園大学(2008年4月〜)准教授
【社会福祉における苦情解決に関する研究】
この研究は、介護保険制度導入と社会福祉法への改正が行われた2000年から継続して行っているものである。研究のきっかけは、大阪市が設置した任意団体「おおさか介護サービス相談センター」の専門相談員をその開設から7年半間務め、その間に介護保険に関わる利用者・事業者・行政からの相談をアウト・リーチで行い、苦情となった案件の解決のため、戦略をもって調査・調整・交渉を行ってきた。その際、準市場となった介護保険制度と契約制度において、一般市場の消費者としての苦情と異なり、利用者の身体的・精神心理的・社会環境的状況に応じて権利擁護を必要とすることと、サービスの継続を念頭に解決を図り、相談者が癒される必要を感じた。それらの実践を通じて考える必要が生じた、福祉サービスにおいて苦情をどう捉え、準市場と契約のなかでどう利用者の権利を擁護し、具体的に苦情を解決するためソーシャルワークはいかに戦略をもって進めるべきかについて、今後は研究としてまとめていきたい。なお、この課題については、2006年度からの3か年、若手研究Bとして科学研究費を得て研究を進めている。
【災害に強いまちづくりを通じて、住民参加型の福祉ネットワークの強化に関する研究】
2004年の新潟県中越大震災において、ケアマネジャーは初動期にいかにネットワーキングを通じて、利用者の安否確認を行ったのかを2005年に調査した。その結果はこれまで、報告書、学会、論文として発表してきた。現在、その結果を踏まえて、幾つかの地域で住民、介護保険事業者、社協、自治体が一体となった災害に強いまちづくりを進めている。これは、単に災害に強いまちをつくるのではなく、災害という関心を出発点として、高齢者・障害者・子どもの区別なく、世代を超えた地域住民主体により、20〜30年をかけて地域を再生し身近な近所づきあいから地域の安心・安全につながるネットワークのための仕掛けづくりを行っている。結果、日頃のネットワークを通じた実践が、災害時にも活かされるのである。同時に、子どもや認知症高齢者への犯罪や虐待の抑止や早期対応、医療ニーズをもつ障害者・高齢者への緊急時の対応など地域力の向上につながる。これらをケアマネジメントを活用し、ネットワーキングの強化を通じて行おうとしている。以上、コミュニティ・ケース・マネージメントともいうべき実践を通じて、支援、組織化、仕掛けづくりの方法を研究を進めている。
前期は、地域社会のなかで支援するということを考えるため、その根幹となる考え方、支援を必要としている人の暮らしについて理解を深めていく。また、地域社会のなかで支援していく方法について、具体的な実践例を通じて学び、今日的な地域社会の課題をもとに新たな支援のあり方について議論していく。その際には、介護保険制度および障害者自立支援、子育て支援・虐待防止などの現制度の状況と北海道における社会・経済的な状況を踏まえた議論を行っていきたい。
後期は、前半は研究の手法について紹介し、後半は論文作成等に向けての研究テーマを具体化していく。また、催しなどの企画の立案・準備・運営の作業を実際に行ってみたい。
基本的にこのゼミでは、情報収集、資料作成、発表、討議、企画立案などを通じてコミュニティーワーカーに必要とされる実践力を養いたい。
- ・『薬害HIV感染被害者遺族の人生−当事者参加型リサーチから』(2008年2月)東京大学出版会,pp.79-98.
- ・「新潟県中越大震災における要支援・介護高齢者に対する危機管理の実態と課題」(2006年4月)「老年社会科学」第28巻第1号,pp.58-65.
- ・「第三者による戦略的な苦情解決の技術−ソーシャルワークを使った権利擁護の視点で−」(2006年2月)『大谷女子大学紀要』第40号,pp.65-82.
