授業と実験

北星の福祉心理学科には様々な実験や実習があります。
その中でも人気の実験・実習をピックアップ!

WAIS-Ⅲ知能検査(臨床心理検査演習Ⅰ)
知能指数IQの正確な検査を知る!

WAIS-Ⅲは、知能指数IQ(Intelligence Quotient)を測定するための検査です。「WAIS」とは、ウェクスラー成人知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale)の略称のことで、「Ⅲ」とは第3版を意味します。心理学者のデイヴィッド・ウェクスラーが開発しました。
ウェクスラーは、知能を多次元的な構成体として考え、「知能とは、目的を持って行動し、合理的に思考し、効率的に環境を処理する個人の総体的能力である」と定義しました。その定義に則って、多次元的な知能を測定するために14種類の下位検査から構成されています。IQの平均値は100とされています。IQ130以上の人は、全人口の中でも約2.2%しかおらず、特に高いIQとされます。授業では、検査者役と受検者役を交互に担当して、実際に検査を体験しながら、施行法やIQの算出方法を学びます。

WAIS-Ⅲ知能検査(臨床心理検査演習Ⅰ)

風景構成法(臨床心理検査演習Ⅱ)
絵画から心理状態が解る?!

心理検査の分類の一つに「投影法」があります。人の無意識的な領域の性格を理解するための方法です。投影法の種類には、インクの染みを見る「ロールシャッハ・テスト」、樹木・人物・家屋などを描く「描画法」などがあります。描画法の中には「風景構成法」という心理療法と心理検査の双方の役割を備えた手法があります。
風景構成法は精神科医の中井久夫氏によって1969年に考案された日本独自の手法です。その方法は、まず一枚の画用紙を取り出し、サインペンで額縁のように一本の線で枠取りをします。枠内に川・山・田など10種類のアイテムを描き込み、彩色をして、一つの風景を完成させます。風景として表現された心理状態を理解できるだけでなく、絵画療法として心理的問題を改善させる効果も得られる大変興味深い手法といえます。

風景構成法(臨床心理検査演習Ⅱ)

グループ・アプローチ
沈黙から生まれる心の学び?!

心理学基礎実験で取り上げるテーマの1つにグループ・アプローチがあります。やり方はいたってシンプルです。参加者全員が円形に並べた椅子に座り「今、ここで、感じていることを話す」、ただそれだけです。シンプルなのにやってみるととても難しいことに気づきます。“感じていること”と言われても「いったい自分は何を感じているのか?」よくわからなかったり、「こんなことを言ったらみんなにどう思われるだろう」と不安になってグループに沈黙が続いたりします。
これらは日々を集団の中で暮らす私たちが持つ当たり前の傾向ですが、普段はそういう心の動きを心理学の用語でいうなら“防衛”して、無意識のうちにやりすごして私たちは生きています。これら人が本来的に持っている心の在り方や動きについて、グループで人と交流する体験を通して学んでいきます。

グループ・アプローチ

社会的スキル実習
グループの中で発揮する力!!

他者との関係を円滑にするスキルは「社会的スキル」と呼ばれています。この実習では、自己や他者への気づき、他者の表情の解読と自己の感情の表出、傾聴、アサーション、グループでの問題解決実習、リラクセーションの方法など様々な対人関係の場面で用いられるスキルについて体験的に学んでいきます。例えば、グループでの問題解決をテーマとした実習では、小グループを作り、1人1人の持つ異なった情報を持ち寄ることでグループに与えられた課題を解いていきます。個々人の積極的な関与、情報の整理、メンバー間の感情の調整など様々なスキルが発揮されなければスムーズに課題を解くことはできないようになっています。

社会的スキル実習

鏡映描写
人は体で学習する?!

自転車に乗る、お箸を使う、ギターを弾く、などなど。どれも初めはうまくできないけれど、目で見て耳で聞いて感触を確かめながら身体の動かし方を調整し、何度も練習して身につく動作です。そして一度身につけば、何も考えなくても自然と身体を動かすことができるようになります。これを「知覚-運動学習」といいます。鏡映描写はそのプロセスを明らかにするための実験方法の一つで、紙に書かれた図形を鉛筆でなぞるだけの簡単な実験です。
しかし鏡に映った図形を見ながら鉛筆を動かすので、目で見た情報(知覚)と手の動き(運動)が一致しません。最初は簡単な図形を描くことさえできませんが、何度も練習すればやがて自由に線を描くことができるようになります。
この実験を通して知覚-運動学習のメカニズムを理解すれば、スポーツや楽器、車の運転など新しいことに挑戦した時、いち早く上達できるようになるでしょう。

鏡映描写

心理学実験の実習
「あか」の文字で色は「あお」?!

心理学実験の実習では、心理学研究に必要な科学的手法について学びます。この授業では、何か新しいことを発見することよりも、古典的な心理学実験をテーマに選び、過去の研究と同じ結果になることを確認しながら、正しい研究方法について学ぶことを重視します。例えば、図は、ストループ図版と呼ばれるもので、左側の一致 (congruent) では、単語の意味と表示色が同じですが、右側の不一致 (incongruent) では異なっています。このとき、「文字の表示色を答えなさい」という問題では、不一致の時に、回答により多くの時間 (反応時間; RT) を要することが何十年も前からわかっています。
このような実験を学生自身が実際に行い、心理学における調査・実験の実施の仕方、結果の科学的な分析の仕方についてのスキルを獲得します。

心理学実験の実習

大学院臨床心理学専攻について

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