生活福祉

2020年度学生作品

一覧表
番号 論文表題
#W2001 LGBTをめぐる諸問題と支援のあり方
#W2002 障害者に対する偏見-障害観の相違に着目して
#W2003 母親による児童虐待
#W2004 望まぬ妊娠の回避に関する考察
#W2005 若年出産
#W2006 親と暮らせない子ども
#W2007 現代の不登校-家族の見えない苦悩-
#W2008 「現代的優生思想」がもたらす障害者排除
#W2009 LGBTから考える多様な生き方
#W2010 若者の生きづらさ
#W2011 介護職員による高齢者虐待の実態と対策
#W2012 児童虐待における被虐待児への視点
#W2013 若者の自殺問題と対策

LGBTをめぐる諸問題と支援のあり方

2017年3月、日本政府はいじめ防止基本方針の改訂を行い、LGBT生徒の保護の項目がはじめて盛り込まれた。これに先立ち、2016年には教職員向けに、LGBT生徒への対応を記した手引きも発行している。しかし、実際はいまだにLGBTに対する差別やいじめがあるのが現状だ。また、異性カップルと同等の権利が法的に保障されていない点も課題のひとつである。

2015年に東京都渋谷区議会で、同性カップルに対し結婚に準じる関係と認める「パートナーシップ証明」の発行が可決されたことを皮切りに、いくつかの市区町村で実施されるようになったが、いずれも法的な拘束力はない。差別や偏見を起こす要因を起こす要因となるものはいくつも存在するが、その要因を作っている人の意識を変えることが出来れば、性の多様性認められる社会に一歩前進できるのではないだろうか。

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障害者に対する偏見-障害観の相違に着目して

前提として、障害者も人間としての権利を持っている。しかし、差別を受けてしまうことが多い。現代だけでなく、何百年も前から障害者は自分らしく生きることについて考えてきた。自分らしさと言っても、社会や周囲からの差別を受けて実現できなかった過去がある。政府から子を持つことも制限され、優生保護法という何とも身勝手な法も過去にはあった。障害者は邪魔者と遠回しに言われているかのようだった。しかし、現在の障害者の暮らしではケアを受けることが少しずつできるようになったからこその苦しみもある。ケアを受ける方・する方の苦しみについても触れている。障害者と健常者がどのようにして共存し、お互いがどのように考えているのかを知ることが大切だと思う。この論文が、健常者の障害観を問う一助となればと考える。

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母親による児童虐待

近年、実の親による児童虐待が増加している。テレビや新聞で、そのようなニュースが報道される度に、虐待をした親たちは、「なぜ罪のない子どもを殺したのか」などと世間から反感を買う。しかし、実の親による児童虐待について考えた時に、虐待を受けた子どもだけではなく、虐待の加害者となった母親にも注目することが必要だということが見えてくる。母親である女性に焦点を当て、家庭状況、生育歴、育児態度という視点から、母親のメカニズム、また、今後、子育てをする母親のために、どんな正しい支援の方策があるべきなのかを追求したいと筆者は考えた。家族をはじめとした身近な人々は、母親を支えていく必要があり、児童相談所などの専門の機関にも同じことが言える。そうして母親が子育てにより抱えていた負担やストレスが減り、自分らしく生きていける社会へと変化することで、児童虐待も減少していくのではないのだろ

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望まぬ妊娠の回避に関する考察

若年層の望まぬ妊娠について、現在は減少傾向にある。だが、それには若年層の性交経験率の低下という背景があり、根本的な望まぬ妊娠の解決となっていない。望まぬ妊娠は、学校教育における性教育の衰退化による性知識の不足さが原因の一つであると考える。自身の身体、相手の身体について、そして性交における妊娠の可能性、避妊法について、より多くの若者に正しく理解が得ることが出来ていない。ライフプランは、男女に関係なく尊重されるべきである。特に、若年層は、望まぬ妊娠から、ライフプランが崩れてしまう可能性が高まる。また、妊娠・出産は女性の身に起こるものである。「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」に基づき、女性の権利として、妊娠・出産を望む/望まない、望むのならその時期はいつ頃なのかを選択するためにも、性知識は必要となる。自分の身に起きる問題であり、その責任を持たなければいけない。自身を守るために、パートナーを守るために、適切な知識を持つ必要があることが分かった。

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若年出産

近年、若年出産が増加傾向にある。原因は、若者の性行動の低年齢化と活発化によるものだ。現代の若者の多くが誤った性知識を「教科書」としているのである。望まぬ妊娠をした10代の女性は、心の準備がないまま母親になり、子育てをする環境が整っているとは言えない。10代の母親にとっての育児は、想像を絶する不安や葛藤があるだろう。若年出産をした女性は、経済的な問題を背負い、ストレスを抱えるが、頼れる場所があるとは限らない。望まぬ妊娠を避けるための正しい性教育、そして、経済的な不利について追及したいと思い、論文に取り組んだ。経済的な支援だけではなく、若年出産をした母親が、相談しやすく、心のよりどころとなるようなサイトや場所を設ける必要があることが分かった。

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親と暮らせない子ども

2020年の日本には、様々な事情から親と暮らすことのできない子どもが45.000人いる。そのような子どもは社会的養護の対象となり、児童養護施設や里親に預けられるなどケアを受ける。しかし、子どもが育つ課程で養育者の存在は大きく影響してくる。児童養護施設などの施設養護、里親制度などの家庭養護この2つではどちらが子どもにとって良いのだろうか。厚生労働省の掲げる家庭的な生活の実現を目指し、心や身体に傷を負った子どもを考えると、迷わず後者を選ぶべきだろう。だが、家庭養護には委託率の低さや実親が賛成しないなどの問題点も存在する。施設養護と家庭養護を比較したうえで、家庭養護の重要性を再確認し割合を上げていくべきだ。

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現代の不登校-家族の見えない苦悩-

不登校とは今や誰でも起こりうることだと考えられている。現代の不登校理由には様々な理由があり、それぞれ違った対応が必要となる。一方不登校と聞くと子どものケアだけが取り上げられがちだが筆者が注目したのは不登校児童を持つ家族のケアについてである。不登校児童を持つ親も自分の子どもが不登校になってしまったということから精神的に追い込まれる人がいる。子どもと親それぞれのケアの仕方について理解してもらうことが大切であるのではないだろうか。学校なども含め周囲の人間が不登校児童とその家族を支援していくことが解決に繋がる。

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「現代的優生思想」がもたらす障害者排除

「現代的優生思想」とは一体どのような思想を指し、また、どれほどの危険が潜んでいるのだろうか。本論では、現代のインターネット社会で生じる、優生思想や弱者排除の声をもとに、まず優生学とはどのように生まれ、日本や他国においてどういった歴史を辿ってきたのかを考察した。次に、相模原障害者殺傷事件におけるSNS上の声や有名アーティストの発言から、現代社会における優生思想の特徴について検討した。その結果、SNSなど多くのユーザーが存在するインターネットのツールや、その匿名性を利用することで、優性思想は、脈々と支持を増やし続けている、これこそ「現代的優生思想」の特徴であることが明らかになった。さらに優生学的思考の問題点について、障害の存在が、ありとあらゆる遺伝的多様性を生み出し、様々な病気にも対応していくことの可能性が明らかになった。またNHKの世論調査や、障害者の自立生活運動における歴史を振り返ると、私たち個人の中に内在しているも障害者差別や内なる優生思想と向き合うことが重要であり、社会的障壁の払拭に繋がることが分かった。

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LGBTから考える多様な生き方

近年、世の中に広く知れ渡っている性的マイノリティの人々を表すLGBT。著名人の公表やCM、映像作品など多くの場面でLGBTが取り上げられている。賛成の意見も多い中、反対に生きていく上で様々な困難を抱えて生活しているLGBT当事者が多くいる。そんな困難を抱えているLGBT当事者に対してどのような支援ができるのか、また、LGBTから考えられる多様な生き方を社会に浸透させるためにはどのような方法があるのかを考える。一人一人が、LGBT当事者が求めていることを知り、それに答えることでLGBT当事者がより良く生きていける世の中に近づくことができるのではないだろうか。

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若者の生きづらさ

現代に生きる若者は日々様々な不安を抱えて生きている。家族、友人関係、将来のことなどだ。加えて昨今の社会情勢で自分には直接的には関係のないことからも不安を感じることが増えた。生きづらさを感じる人が自殺を選んでしまう世の中であったが、近年減少傾向にある。その要因としては人の生きづらさを世間が認めつつあることが挙げられる。SNSは若者にとって必須のツールになっている。スマートフォンの普及率も増加し、そこでコミュニケーションをとる機会が当たり前になっている。世間には多様な生き方をする人々がいることを知る機会にもなった。SNSでコミュニケーションをとるうえで大切なことは、相手がどのような人なのかを想像することだ。顔が見えないからこそ相手を思いやるべきではないだろうか。

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介護職員による高齢者虐待の実態と対策

少子高齢社会の日本において日本では高齢者虐待が年々増加している。高齢者虐待には家庭内での養護者による虐待と、高齢者施設で起こる要介護従事者等による虐待の二つが存在するが、中でも近年要介護従事者等による高齢者虐待が増加しているという事実がある。筆者は、高齢者施設は介助を要する高齢者自身と、様々な事情で自宅介護が難しい家族のために存在すると思っている。本論文では、なぜ高齢者虐待が発生しているのかを介護従事者の働き方や、ケアワークの観点から考察した。高齢者施設は、地域の中では孤立しがちであり、地域住民の視点や協力体制が欠かせない。また職員の待遇改善なども必要であることが明らかになった。国や自治体、そして社会全体で高齢者虐待の現状を理解し、支援していく必要がある。

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児童虐待における被虐待児への視点

児童虐待の発生件数が、毎年、増加している。成長するうえで、大切な時期である子ども期の虐待経験は、非常に深刻なものある。家族の生活歴を見ると、親のしつけが厳しく、父親の身体的虐待がある家庭で育つと、その子どもが将来、親になった時に、虐待する確率が高まると言われている。もちろん、虐待の連鎖が立ち切れる場合もある。ストレスが高じ、自分より弱い存在である子どもに対して、虐待という形で心身を傷つける行為は、どうすれば予防できるのか。親自身が、生活問題を抱えていたり、自分の気持ちを安定させるための時間的な余裕を失い、そうした負の感情を子どもにぶつけることでしか発散することができないとすれば、子どもは犠牲者となる。現在も、虐待予防対策、地域の子育て支援などが機能しているが、援助機関がそれぞれに動くのではなく、統合されたり、より確実に役割を分担することが、子どものSOSに、少しでも手を伸ばすことになるのではないだろうか。

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若者の自殺問題と対策

内閣府の調査結果によると、若者の自殺は、家庭や学校に関係することや、うつ病などの精神疾患が背景にあるとされている。そして、SNSが急速に発達した現代では、SNS関連での自殺も急増している。自殺に至った若者は、学校、家庭、どちらにも居場所がないと感じている子どもが多く、誰にも相談できず自殺を図ってしまう。それを予防するためには、どこにも居場所をないと感じる若者のSOSにいち早く気づくことが大切となってくる。そのためには、地域などでの自殺予防対策やゲートキーパーなどの育成などが有効とされる。そして、社会の一人ひとりが、自殺やSNSに対する正しい知識を身につけ、他者への理解を深めることが重要である。それが、若者の自殺を未然に防ぐことができる第一歩なのではないだろうか。

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過去年度の論文アーカイブ

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