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【心コミ・リレーエッセイ 第24回:「音楽タイムマシン」(後藤靖宏/教授 専門:認知心理学/音楽心理学)】

2020/10/28

筒美京平氏が亡くなりました。作った曲の総売り上げが7,500万枚という、昭和を代表するヒットメーカーです。追悼番組では、皆が「僕はこの曲の当時~」「私はあの曲を聴いて~」といった想い出を熱く語っていました。


音楽を聴いて遠い昔の出来事や長く会っていない人、当時の気持ちなどが不意に想起されることがあります。僕自身も、スニーカーを履いてブルー・ライトに照らされた街を逍遙し、また逢う日を想いながら叶わぬロマンスに心を焦がしたことを思い出します。そういう力をもつ音楽に魅せられています。


先日、音楽心理学の授業でそんな話題を取り上げました。まるで音楽というタイムマシンによって時空を越えた「旅」に出たかのような気分でした。ちなみに、授業後のアンケートで「将来思い出の曲になりそう」として星野源の「うちで踊ろう」が選ばれました。後にこの曲を聴いて2020年を振り返る時、僕たちはどのような気分になるのでしょう?