SDGsと北星経済学科の学び
SDGs(持続可能な開発目標)は、社会のあらゆる領域でその達成が目指されている国際目標です。北星経済学科では、SDGsの各目標に深く関わる学びを深めることができます。目標1(貧困)・目標8(成長・雇用)・目標10(不平等)は経済学の主要なテーマですし、社会政策論や医療経済学は目標3(保健)、国際関係論は目標16(平和)を扱っています。
SDGsの達成を担う〈社会の主人公〉になるための知見を、北星経済学科で養いましょう。

環境経済学・環境政策論[応用経済コース]
環境問題を経済的手法での解決と経済構造の再検討という二つの視点から考える。
人間の経済活動によって地球環境はバランスを失っています。環境経済学の講義では、ミクロ経済学や公共経済学を応用して経済的手法によ環境問題の改善の方途について考えます。炭素税などによる温室効果ガス削減などをそこでは考えます。他方、環境問題をもたらしてしまう資本主義のありかたを根底から見直していく視点も重要で、そうした視点から経済活動や生活を考えていくのも環境経済学の課題です。



藤井 康平 専任講師
- 担当科目
- 環境経済学
- 北海道の企業
- 環境政策論
- 出身大学院
- 東京大学(院)
私はこれまで、地方自治体で環境政策が取り入れられる要因を分析したり、ドイツやオーストリアの農村地域を事例にして再生可能エネルギーを使った地域づくりについて研究したり、日本の農林水産業と中山間地域が持続可能であるための条件を考えたりしてきました。現在の研究内容をSDGsの目標に照らし合わせると「7エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が一番近いですが、研究の根底には地球環境や人間社会の持続可能性を考えるという点があので、多かれ少なかれすべての目標と関連しています。
演習では最初に環境経済学や環境政策論の基礎を学んだうえで、学年ごとに取り組むべき課題を設定し、プロジェクト形式で調査研究活動を進めていきす。フィールドワークやヒアリングを実施したり、自治体や企業と交渉したりと、真面目に取り組むとかなり大変ですが、学生時代の得難い経験になると思います。


山口 哲由 准教授
- 担当科目
- 現代の国際社会
- 地理学
- 地誌概説
- 出身大学院
- 京都大学(院)
私はこれまでにSDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に関連した研究をおこなってきました。気候変動は、環境変化に対して脆弱な山地や乾燥地、デルタ地帯において、人々の生活に重大な影響を及ぼし始めています。これまでにインドや中国の標高3,000m以上の山地で生活する人々やベトナムのメコンデルタで生活する人々の生活を対象に、地理学の視点に立ったフィールドワークをおこない、気候変動が生活に及ぼす影響を明らかにするとともに、彼らがそういった気候変動に対してどのような対策を取っていけるのかを一緒に考える活動に取り組んできました。
こういった研究経験を踏まえたうえで、私の授業や演習では、SDGsに関連して日本や世界が抱える課題やその解決に向けた取り組みに関する文献の紹介やその講読をおこなっています。我々は地球規模でモノや人、お金や情報が結びつく社会で生活しており、遠くの戦争が我々の生活に大きな影響を及ぼすことを実感しています。それゆえに、他の地域の人々が直面している課題に関する知見を深めるとともに、自分たちの生活の現状を相対化することで、我々がSDGsに対して取り組めることには何があるのかを考えることを目指しています。


嶋内 健 准教授
- 担当科目
- 社会政策論
- 労働経済論
- 出身大学院
- 立命館大学(院)
私は北欧デンマークの社会政策を研究対象としており、働くことに困難を抱えているひとに対する所得保障や、生活および就労支援のあり方を批判的に考察しています。社会政策という学問は、図では1、2、3、4、5、8、9、10、11、17と多くの接点をもっています。私自身は「1 貧困をなくそう」と「10 人や国の不平等をなくそう」をとくに意識して研究に取り組んでいます。
授業では社会保障、若者の就職問題、子育て支援制度、日本の女性労働者や非正規労働者が置かれている不当な扱い等を学習してもらいます。少人数のゼミでは、これらについてグループで協力しながら学び合う方式を取り入れ、楽しく主体的に学ぶ雰囲気づくりを大切にしています。


浦野 真理子 教授
- 担当科目
- 現代の国際社会
- グローバル社会論
- 開発経済論
- 現代アジア論
- 出身大学院
- ジョージタウン大学(院)
私が研究しているのは、インドネシアの森林地域の環境と地域社会についてです。インドネシアは、2億7千万人と、世界第4位の人口を抱える東南アジアの大国です。インドネシアは資源大国でもあり、世界第3位の熱帯林面積を有しています。しかし、この熱帯林は、木材産出や、パーム油の原料の生産のためのアブラヤシ栽培によって、どんどん減少しています。インドネシアの森林減少には、木材やパーム油を多く輸入している日本も大きくかかわっています。さらに、インドネシアは最近デジタル化、豊富な資源、巨大な国内市場を背景に大きく経済発展しており、停滞する日本のパートナーとしてとても重要です。
授業では、インドネシアでの訪問調査を通して得た最新の情報を伝えたいと思っています。また、ゼミ参加学生さんにはインドネシア現地の協定校と英語で研究発表・交流の機会を持ってもらい、国際的な視点を養ってもらいたいと思います。
