データを活用し、実践現場の〈知〉を識る。─ 日本経済・北海道経済の分析

経済を分析するためには、経理論を学んで経済学的思考を養うことが何より重要ですが、その上で、データを適切に扱うを身に付け、また、企業活動や政策の現場の第一線の息吹を肌で感じることも必要です。

データサイエンス[学部内副専攻]

所定の単位を揃えることで、「データサイエンス副専攻」の修得証明を取得できます。

数学・統計(6単位以上)
経済数学、経済統計学Ⅰ・Ⅱなど
情報・データ分析(8単位以上)
データサイエンス入門、計量分析入門、計量ファイナンスⅠ・Ⅱ
専門(6単位以上)
経済統計と日本経済、ゲーム理論、計量経済学 など
修教授の顔写真

修 震傑 教授

担当科目
ミクロ経済学
計量経済学
ゲーム理論
出身大学院
北海道大学(院)
計量
経済学

演習では3年間を通してPythonというプログラミング言語を利用して統計学とAIを学びます。統計学はデータの収集、整理、分析、解釈に関する原則や手法を提供するものです。一方でAIは大量のデータを処理し、パターンや関連性を抽出するための技術であり、統計学とは密接な補完関係にあります。統計学の基本的な原則や統計モデルは、AIのアルゴリズムやモデルの開発において重要な役割を果たしています。統計学の知識を持つことはAIの理解と応用において重要であり、逆にAIの発展は統計学の新たな展開や応用の可能性をもたらしています。

2年次の演習ではデータ解析の基礎を学びます。3年次の演習と計量経済学の講義では、モデル評価と推論を学びます。4年次の演習では、統計学とAIを組み合わせて創造的な応用を行います。例えば、統計学の手法を用いてAIモデルの解釈性を高める方法や、データの欠損値を補完するためにAIを利用する方法などがあります。統計学とAIの融合により、データの解析や予測の精度を向上させることができます。

佐藤教授の顔写真

佐藤 和夫 教授

担当科目
経済統計学
基礎経済学
経済数学
出身大学院
北海道大学(院)
経済
統計学

私が担当している経済統計学Ⅰ・Ⅱでは、統計学の基本からスタートして、重回帰やロジスティック回帰などのデータ分析手法を使えるようになることを目標にしています。演習ではさらに進んで、データの収集から分析までを体験的に学んでもらおうと思っています。また、ゼミの学生たちには学習のモチベーションとして、統計検定の受験も勧めています。ただしどの科目でも、あせらずにしっかりと時間をかけて、基礎から楽しく学べることを心がけています。

いま、データを分析する力はあらゆる業界で求められていると思います。一方で、情報があふれる社会には、データの誤った解釈も散見されます。それをしっかりと見極められる力も養ってほしいですね。

渡邉准教授の顔写真

渡邉 稔 准教授

担当科目
マクロ経済学
経済統計と日本経済
基礎経済学
経済数学
出身大学院
神戸大学(院)
兼職・元職など
(元)京都学園大学嘱託講師
マクロ
経済学

スーパーで販売される肉や野菜の価格はどのように決まるのでしょうか? テレビや新聞の報道で登場するGDPとはどのような意味でしょうか? 基礎経済学マクロ経済学の授業では、価格が決まる仕組みやGDPなど、経済学で登場する分析手法や知識について理解を深めます。演習では日本経済に関連する書籍を輪読し、授業で学んだ経済学の知識や理論がどのように応用できるか議論します。

2023年度から新たに「経済統計と日本経済」が開講されています。経済統計を用いることで過去と現在の経済活動や国家間の経済活動を比較できます。「経済統計と日本経済」の授業では、戦後から現在に至るまでの日本経済の歩みや課題を、データを用い様々な角度から検証します。

北海道の企業

北海道の
企業

北海道にさまざまな産業・企業があるということを経営者のナマの声を通して実感する授業です。道内企業の経営者のかたがた15人に(時には若手の社員のかたも一緒に)出講いただく全15回。国内屈指の技術をもつ印刷会社が道内にあること、道内企業が全国のコンビニにコロッケを提供していること、日本の林業が復活しつつあること、など、国内・道内の産業の最新の動向に触れることができます。〈なりたい自分〉に出会うためのステップとなるよう、北海道中小企業家同友会の協力を得て始めた授業です。

村田 さん

  • 恵庭北高校出身 2021年入学
村田さんの写真

企業のトップの方々から直接話を聞くことができ、自分自身知らない業界もいくつかあったので、新しい発見がある貴重な授業です。日常生活ではなかなか接する機会のない経営者の方々の生き方をはじめ、業展開や具体的な戦略を深掘りして聞くことができます。頑張っている北海道の企業がとても多いことを実感しています。

特に印象深かったのは、有機野菜の生産・加工・販売までを担っている農業関連企業で、SDGsの目標を達成するべき経営の指標に掲げるなど、先進的な取り組みを行っていました。

経営者の方々の他に、自分たちと年齢の近い若手社員のお話を聞く機会もあり、就職活動を考えるうえでとても参考になっています。

日本経済論

日本
経済論

日本経済論Ⅰでは、金融・財政のありかた、少子化と社会保障、農業・食糧問題、エネルギーと環境、といったテーマについて戦後の日本経済の歩みと関連させながら講義しつつ、第一線のゲストも招いています。元財務副大臣の峰崎直樹さんは、「社会保障と税の一体改革」について、毎年お話しいただいています。『日経マネー』編集長(億万投資家の投資行動と日本の株式市場の特色)や富士通研究所の研究員のかた(暗号資産とトークンエコノミー)にもお越しいだきました。

日本経済論Ⅱでは、ミクロ経済学・マクロ経済学を応用して、日本経済の現状やビジネスの事象を分析しています。

元財務副大臣をお招きしてのトークセッションのかたちでの講義