想像力の活かし方について学び、自分の変化を感じる
経済学部 経営情報学科 4年
福島さら
- 国
-
インドネシア
- 期間
- 1年間
- 形態
- 派遣留学
渡航:2024年
Creativity & Ideation
私は、インドネシアという経済発展している国での起業や経営の方法を学びたいこと、そして「想像力を大学で学ぶとはどういうことか」を知りたいと思い、留学前から受講を希望していた「Creativity & Ideation」という授業を履修しています。この授業では、想像の段階から創造性、革新、最終的には起業家精神へと至る連続的なプロセスである「発明サイクル」について学ぶことができます。
授業では、先生が想像力の概念などを具体例を交えながら説明し、重要な部分では掛け声を使った参加型の形式が取り入れられています。例えば、先生が「Imagination leads to…?(想像力は何につながる?)」と問いかけると、学生全員で「Creativity(創造性)!」と発声します。この掛け声は、想像力(Imagination)が創造性(Creativity)へとつながることを意味しています。
この授業では、Imaginationとは「もし◯◯だったら?」と頭の中で何かを想像することを指し、Creativityとは、Imaginationを組み合わせることで、想像したものや過去の経験などを活かして新しいものを生み出すことを指します。
そのため、まずは想像力を養うことが、創造性を発揮するための土台となることを学びました。実際に、1つの場所に1時間滞在し、改善点を多く見つけ、どのように改善できるかをレポートにまとめるという課題を通じて、想像力と創造性の両方のスキルを身につけることができたと思います。

想像力を実践に活かす
授業中には、時々折り紙が配られ、学んだことを実践的に応用する機会があります。先日の授業では、「1分間で500円の価値が付くような革新的な商品」を作るという課題が出され、最後に学生全員で投票を行い、1位を決めました。
私は、日本人の視点で「500円の価値が付く商品」に重点を置いたため、シンプルな箱を作成しました。しかし、箱は普遍的で革新性に欠けるため、結果として票は1つしか入りませんでした。
一方、インドネシアの学生は「革新的な商品」に着目し、手裏剣や鶴などを作っていました。同じ課題でも、着目する視点や、そこから生まれるアイデアに違いがあることがとても興味深かったです。
授業後に改めて考えてみると、インドネシアにおける500円の価値は、日本で言う3,000~4,000円に相当するのではないかと思いました。インドネシアの学生がデザイン性を重視していたのは、彼らの金銭感覚や価値観の違いが影響していたのかもしれません。ちなみに、優勝したのは、2つの折り紙を組み合わせて花を作った学生でした。

また、グループワークでは、新しい製品の試作モデル(プロトタイプ)を作成しています。この授業では、留学生は私1人ですが、インドネシアの学生たちはとても温厚で、目が合うと必ず笑顔を見せてくれます。また、「Hello, Sara!」と毎回名前付きで挨拶をしてくれるため、疎外感を感じることはありません。
私のグループでは、メンバーの親戚にお菓子関連の仕事をしている人がいること、そしてインドネシアの人々は辛いものを好む傾向があることから、“Keripik Pedas Meledag” という、秘伝のスパイスを配合したキャッサバチップスを開発しています。

これは中間テストの代わりに提出するレポートのテーマとなりましたが、レポートはインドネシア語で作成する必要がありました。
自分の変化
授業中、先生が将来の職業を選択する際に、“’Do what you love’ or ‘Love what you do’?” と質問されました。
私はもともと Do what you love(好きなことを仕事にする) 派であり、「仕事は人生の大半の時間を費やすものだから、好きなことをした方が良い」と考えていました。しかし、この考え方には、「常にその仕事を好きでい続けることを前提とする」という側面があります。そのため、もし困難に直面したとき、「本当に自分はこの仕事が好きだったのだろうか?」という疑問が生じ、心が折れてしまう可能性があります。
一方で、「なんとなく面白そう」という理由で何かを始め、それを続けるうちに面白さを感じ、熱中できるようになれば、その行動自体が「好きなこと」に変わる場合もあります。この考え方に基づけば、仮に失敗したとしても、もともと「好きなこと」として始めたわけではないため、執着が少なく、立ち直りが早いかもしれません。
これまで、私は “Love what you do(自分の仕事を愛する)” という視点を一切持っておらず、「好きなことをやることが幸せだ」と思っていました。しかし、先生の問いかけをきっかけに、自分の価値観が1つから2つに増え、さらに3つ目や4つ目の考え方があるかもしれないと思うようになりました。これは、授業を通じて得た大きな学びであり、自分自身の価値観や考え方に変化をもたらした重要な経験となりました。
利用した留学プログラム
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