老年学で学んだことと自分の変化
文学部 英文学科 3年
中野美映
- 国
-
カナダ
- 期間
- 半年
- 形態
- 派遣留学
渡航:2024年
老年学とは?
私はカナダのセント・トーマス大学に留学し、Gerontology(老年学)という授業を履修しています。老年学は主に高齢化の進む社会や高齢者に焦点を当てた学問で、授業では介護・差別・地域社会など、毎週様々なテーマに沿って授業が展開されます。
月に約一度エッセイの課題があり、中には大学が位置するニューブランズウィック州の選挙の結果をもとに、「高齢者にこれからどのような影響を与えるか?」また、「自分がもしも総理に選出されたら、高齢者に向けてどのような政策を掲げるか?」など、発想力が求められる題材もありました。
ちなみに私は北星では英文学科に在籍しており、インターナショナルビジネスというゼミに所属しています。そのため、正直、留学前は老年学という科目について全く知らず、履修を決めたのも昨年履修した先輩に勧められたことがきっかけでした。

印象に残った授業
約15週に渡って展開された授業の中で私が最も印象に残っているのが、エイジズム(年齢差別)のトピックです。エイジズムには様々な種類があり、例えばお年寄りの方を“頑固だ”、“すぐ怒る”などマイナスなイメージを持つものや、“可愛い”と一見ポジティブなイメージを持ちつつも“弱い”、“何もできない”と勝手に決めつけたり、まるで子供と話すかのように接し方をするなどといったものです。
私はお年寄りの方と関わるのが好きで接し方の理解もしているつもりでしたが、無意識のうちに差別につながるような、相手が不快になるような失礼な態度をとっていたかもしれないと自分の行動を改めて見直す機会となりました。
自分の中での変化
カナダへ来る前から耳にしていましたが、どの授業でも学生達の参加している姿勢が非常に積極的で、先生が話している途中でも挙手をして待っている人がいるほど活発に質問をしています。
カナダの中でも別の州から来た学生や、ヨーロッパ・南アメリカなど各国から来た留学生も出席しているため、それぞれの故郷での高齢者への政策や観点・文化の違いを知ることができ、毎回の授業が刺激的な経験となっています。最初の頃は授業についていけるかなど少し不安があり、グループワークで思うように発言ができないこともたくさんありました。
それでも周りの学生や先生が非常に親切だったこともあり、週を重ねるごとに周りの目を気にすることも減り“失敗してもいいんだ”と思えるようになりました。あえて、“私は英語があまり流暢ではないけれど、話し合いには頑張って参加するよ”と最初にグループに伝えることで、みんな私の言うことを理解しようとしてくれたり、私でもわかるような易しい言葉を使い説明してくれたりしました。
これらの周りのサポートのおかげで、英語力の向上だけではなく、深く授業内容を理解することができ、前までは流されていた自分の意見も堂々と話せるようになり自信がついたように感じます。
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