“土台”づくり(西田充潔)

現在、本学では、新学部の設置に向けて、新棟を建設中です。ようやく4階建て校舎の“土台”が完成しようとしているようで、本日も基礎部分のモルタル注入が行われています。
ところで、社会福祉学科の学生たちは、現在、「ソーシャルワーク実習」の真っ最中です。およそ5週間程度(約24日間、休憩を除く実習時間が180時間以上)の、大学4年間で最も長期間の実習です。今週・来週あたりで多くの学生が一旦は終了しますが、11月中には再び、それぞれ別の実習先に、約8日間(60時間以上)の実習に参加します。つまり、併せて「240時間」以上の現場実習です。
私のクラスでは、障害児通所支援事業所や母子生活支援施設、児童自立支援施設、児童心理治療施設などの児童福祉施設や、障害福祉サービス事業所や地域包括支援センターなどでの実習に参加中であり、11月には児童相談所や児童養護施設、社会福祉協議会、老人保健施設などにそれぞれ行く予定です。他のクラスの学生たちは、病院や特別養護老人ホームなどでも実習をしています。学生たちは、このような現場での様々な体験を通して、「ソーシャルワークが、実際の支援現場では、どのように展開されているのか?」「どのような事実があり、どのような対応が必要とされているのか?」などを実地に学んできます。
そして、それらの過程において、学生たちは、皆、「自分との向き合い」をしてきます。こうしたことは「自己覚知」と呼ばれ、ソーシャルワーク専門職を目指す自分はどのような“人間”なのか、どのような強み(ストレングス)・弱み(ウィークネス)があるのか、これからどのように取り組めばよいのかなど、多くが20〜21歳ぐらいの学生たちにとっては、とても“しんどい”作業となる場合もあります。
しかし、これは“重要な”体験です。「ソーシャルワーク専門職」になるための、“土台”づくりを行っているといえるかもしれません。決して、“砂上の楼閣”にならないための、最も重要なことともいえます。ただし、上記の、本学の新校舎という、物理的な建築物の“土台”づくりとおそらく大きく違う点は、この専門職としての“土台”づくりの作業は、生涯、続いていくものであるということでしょうか。
そして、そんな学生たちとの向き合い(実習指導)は、私自身にとっても、大学教員としての「自己覚知」の毎日です。
後期授業が再来週から始まります。こうした実習をまずは180時間、終えてきた学生たち一人一人が頼もしくなっているであろうこと、とても楽しみにしています。