シアタープロダクション ―異文化の壁―
社会福祉学部 心理学科 4年
鈴木凜太朗
- 国
-
インドネシア
- 期間
- 1年間
- 形態
- 派遣留学
渡航:2023年
シアタープロダクション
この授業は、僕がマラナタに着いて1週間後にすぐ始まりました。学生は30人くらいで、留学生は僕も含めて3人でした。週2回で学期末の演劇発表に向けて役割毎に準備をします。オーディションは全員参加で、マラナタの学生の表現力や主役をやりたい熱量に圧倒されてしまいました。演劇は、外国人同士の発音の多様さから生まれる誤解をテーマにしたもので、僕はセットを制作する担当になりました。

いることが邪魔になる存在からのスタート
プロジェクトベースの授業のため、コミュニケーションが大切です。グループワークでは英語よりもインドネシア語での会話がほとんどで、僕のインドネシア語のレベルでは、いることの方が邪魔になる存在からのスタートでした。ある日、僕はグループのリーダーからなぜもっと深く話し合いに入らないのかと言われ、言語を言い訳にしていた僕は彼女と衝突しました。「あなたが言語がわからないことは、みんなわかっている。だからこそお願いや小さなことも話しづらいんだよ」と言われ、今まで留学生である自分を客観的に見る想像力や共感力が足りなかったことを痛感しました。

異文化の壁に少しずつひびを入れる
この話し合いを機に、自分にできることを探し、インドネシア語の勉強を今まで以上に行い、メンバーがしたがらない雑用を進んで行うなど行動を積み重ねました。次第に6人のメンバーは小さなことでも頼ってくれるようになりました。作業中の会話も増え心を開いてくれるようになり、最後はみんなで肩組んで写真撮って一緒にやりきった、と言い合える仲になりました。
この経験から僕が得たことは、心の壁の叩き方です。最初は、互いに気を遣い合うことで知らずに作っていた壁がありました。異文化の厚い壁は簡単に壊れるものではなく、小さなひびを入れ続けることではじめて壁の向こうが少しずつ見えるようになるのだと実感した授業でした。

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