研究

「現地」を訪れることの大切さ(永井順子)

 主に精神保健福祉士の養成に関する科目を担当しています、永井順子です。研究では、日本の精神保健福祉の歴史をたどり、精神障害のある人が各時代でどのような位置づけをされていたかを考察しています。
 歴史を研究するなかで常に実感することは、実際の場所=「現地」を訪れることの大切さです。各地の図書館に所蔵されている資料などは、現代ではインターネットで取り寄せることができます。新型コロナウィルスの流行下では、旅行が制限されていたことから、研究者が各地から集い研究成果を発表する場である学会の大会も、オンライン開催が当たり前となってきました。この2年半余りの間は、そのようなオンラインのツールに助けられることが多くありました。
 しかし、実際に「現地」を訪れると、インターネットの検索では出てこなかった資料が図書館で見つかることや、偶然立ち寄った古本屋で貴重な書籍に出会うことがあります。また、過去の時代を生きてきた実践者たちに直接お話を聞くこともできます。  
 先日、「日本精神医学史学会」大会参加のため長野県松本市に行きました。2年半ぶりの道外への旅行でした。「現地」では、久しぶりに同じ研究領域の各地の先生方と対面でお会いすることができ、刺激を受けました。また、松本市出身の現代芸術家・草間彌生さん(精神疾患を持っていることも有名です)の作品を現物で見ることもできました。やはり「現地」訪問はよいと再認識する機会となりました。

松本市美術館のオブジェ
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