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【心コミ・リレーエッセイ 第17回:「情報取集とメディアの変化」(田辺毅彦/教授 専門:感情心理学)】

2020/08/05

最近、1年生と話をしていて、改めて、日常使用する視聴メディアが我々の世代とは全く異なることに驚きました。今の若者たちは、音楽はネットからすべてダウンロードして聞き、本も新聞も読まない、テレビも見ないし、映画も映画館には行かず、ほとんど、ネットのストリーミングを見ている。そして、日常生活の中で最も視聴しているのは、YouTubeとTiktokで、この2つを視聴していたら、楽しくて他のメディアは必要ないとのことでした。私自身は、若いころから、文学、本、音楽CD、DVDといった内容をモノとして所有することに心が動いてきました。最近は、加齢のせいか、逆に、これらのモノに対する執着が薄れてきましたが、それでも、若者たちの話は衝撃的でした。

社会全体で、ICTの進歩と共にこのようなアナログ的でリアルなものに対する興味が減少し、新型コロナウイルスの感染拡大がそれに拍車をかけています。今後、このような傾向が、人間そのものにも及んでいく可能性も考えられ、それに対しては漠然とした不安を感じる日々です。