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【心コミ・リレーエッセイ 第25回:「コロナ感染拡大と感染予防行動について」(田辺 毅彦/教授 専門:感情心理学)】

2020/11/11

 11月初め現在、札幌は第3波が来ているのではないかと疑われるくらい、毎日、コロナ感染者が出ています。学校のクラスター化も増えています。それでも、街に出れば、人々は何事もなかったように平静な面持ちで生活をしています。ただし、ほとんど100%近い人がマスクをして、手洗い、消毒も熱心にしています。これだけ皆が気をつけているのに、感染者が増えているのはどうしてなのだろうかと不思議で仕方ありません。いずれにしても、我々は、コロナウイルス感染が当たり前である生活に慣れ、「with コロナ」という環境に適応しているといっても過言ではありません。そして、マスクをしていない人を見かけたり、公共の場で大きな声でおしゃべりをしていたりする人に非難のまなざしを向けるようになってきています。「新しい日常」と呼ばれる環境に適応することは大事ですが、過剰に適応をすることは、他人を傷つけるだけでなく、自分自身をも心理的に追いつめてしまいます。心理的にも、ちょうどよい加減でコロナの時代を乗り越えられないかと思わずにいられない日々です。