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【心コミ・リレーエッセイ 2021年度 第13回:「「プロジェクト実習」で北広島市調査を実践!」(寺林暁良/専任講師 専門:社会学)】

2021/08/25

 心コミでは、3年次前期に「プロジェクト実習」という授業を配置しています。この授業は、心コミの各教員のもとで、自分の研究を進めていくために必要な「問い:Research Question」を考え、研究実践を行うことを目的としています。


 私のクラスでは、11人の実習生が、北広島市において現在建設中のボールパーク開発の効果と課題について調べる「ボールパークとまちづくりに関する調査」を行いました。各自の関心に応じて「都市開発プロジェクト」「魅力プロジェクト」「観光プロジェクト」「高齢者プロジェクト」「子どもプロジェクト」の5つのグループに分かれ、それぞれに「問い」を立て、調査を行い、その結果を分析して考察しました。


 コロナ禍の影響もあって、現地に足を運ぶことが難しい状況ではありましたが、北広島市役所の皆様に全面的にご協力いただき、関係各課で少人数ごとにヒアリング調査を行うことができました。大学の外で初めてヒアリング調査を行う学生もおり、まさに研究実践の機会になりました。


 気づいてもらったのは「問い」を立てることの難しさです。実習生たちには、文献調査だけではわからないこと、大学内にいては思いもよらないことのほうが多いことを実感してもらいました。フィールドワークに基づく研究は、現場との往復作業を通じて、はじめて「問い」を立てることができます。そのため、「問い」自体が研究の最後にできあがることも少なくありません。


 4ヶ月弱という短い調査期間でしたが、「プロジェクト実習」の成果は写真のような報告書にとりまとめました。予定していた北広島市役所での報告会は、同市が「まん延防止等重点措置」の対象となってしまったため中止になってしまいましたが、調査を実践し、それを一つの形にできたことは、実習生にとって大変貴重な経験になったと思います。