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心コミリレーエッセイ 2021年度 第14回:「コロナ感染禍の中で考える:その2」(田辺 毅彦/教授 専門:感情心理学)】

2021/09/08

 東京オリンピック、パラリンピックが終わり、日本中の数多くの都市では非常事態宣言下での生活が続いています。本学でも、ようやく希望する学生たちへの新型コロナウイルスワクチンの集団接種が始まりました。昨年来、大学の授業はたびたびオンラインに切り替わり、コロナウイルス感染のリスクは避けられましたが、先生や友だちとのコミュニケーションが十分ではなく、孤独感に苛まれたり、気分が落ち込んだりする学生もたくさんいました。大学側も我々も、授業方法や教材提供に関していろいろな工夫はしているものの、当然のことながら、今もその状況は、完全には解消されておらず、正解はわからないのが現状です。たぶん、全国の多くの大学が同じ状況に悩んでいると思われます。

 本学科では、1-2年生にかけて、学生の皆さんに、いろいろな社会問題について考えたり、意見交換を行ったりしてもらう授業をいくつか設定しています。この授業によって、コロナ禍でのさまざまな問題が解決できるわけでありませんが、未知の状況に直面した際に、どう考えたらよいのか、我々にできることは何か、考えていくきっかけを作る能力を支援しています。これからも考え続けていくことできるようになることが、大学教育の成果のひとつなのだと思います。