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【心コミ・リレーエッセイ 2022年度 第25回:「海外短期研修を終えて」(阪井宏/教授 専門:現代社会学、メディア論)】

2022/10/28

 8月末から9月中旬にかけ、前期講座「海外短期研修」の引率者として、学生とともに英国各地を巡り歩いた。参加したのは心コミ学科3人、英文学科2人の計5人。主な訪問先は、学園都市のオックスフォード、マンチェスター郊外のヘブデンブリッジ、自然が美しい湖水地方、そして首都・ロンドンである。行く先々で市民との対話を楽しみ、人々の暮らしに触れる2週間だった。


 最も神経をつかったのは、やはりコロナ対策である。どこへ行くにも、学生たちは必ずマスクをつけた。大量の抗原検査キットを現地で買い込み、定期検査を欠かさなかった。そんな感染対策の効果もあってか、期間中、メンバーの中から一人の陽性者も出すことはなかった。


人口7000人のお洒落な街・ヘブデンブリッジでは、3泊4日のホームステイをした。その隣街・トッドモーデンでは、街じゅうの空き地を野菜畑に変え、育った野菜はだれが食べても良い、とする活動を進める市民グループに加わり、雑草取りに汗を流した。ロンドン北東部のハックニー地区では地域再生に取り組むNPOグループとともに、街角に埋もれた魅力のかけらを探し歩いた。オックスフォード大学では日本の英語教育や留学制度の課題について学生がプレゼンをし、国際交流部門の代表者たちとディスカッションした。


怖いもの知らずの学生たちとの旅は、楽しかった。物おじせず、住民たちの輪の中に飛び込む5人の姿はまぶしかった。真剣なディスカッションのあと、オックスフォード大の部門代表は「最近の日本人学生は、以前のようにシャイではないな」と漏らした。ヘブデンブリッジでの最終日、滞在先のご家族を招いてのお別れパーティーでは、5人が浴衣姿で「恋するフォーチュンクッキー」を踊った。


言葉の壁はもちろんある。しかし、決して流ちょうとはいえない英語でも、熱い思いは必ず伝わる。その感触と感動もまた、大切にしてほしい。ホームステイ先のご家族と抱き合って別れを惜しむ5人を見て、そう願わずにはいられなかった。



NPO幹部の説明を聞く学生たち=オックスフォード



お別れパーティーで踊りを披露する5人=ヘブデンブリッジ