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【心コミ・リレーエッセイ 2024年度 第16回】:「着任して一年」(妹尾克利/准教授 専門:メディア教育)

2025/02/12

大教室での授業もようやく慣れてきましたが、この一年、毎回授業の最後に書いてもらうミニレポートを読みながら、学生たちの瑞々しい気づきに、私自身も学ばせてもらったり、反省したりの連続でした。

時々、授業の内容だけでなく、ちょっと脱線した余談にまで真摯に感想をもらうこともあるので、あまり迂闊なことは言えないと思いました。

 

今回は、私が後期に担当した「メディアコミュニュケーション」という授業で、演習課題としてラジオ番組を制作したことを紹介します。

全員が初めての経験とのことなので、まず私が番組を作ってみて皆に聴かせたのですが、結局、学生の皆が作ってきた番組は、私よりもはるかに凄い秀作揃いで、サムネもどれもユニークでした。


 

「ラジオ番組のサムネ」


 最後に全員が全員の番組を聴いて、一人ずつ講評するピアレビューを行いました。以下、学生の感想を一部抜粋します。


「声の抑揚や間の取り方など工夫し、ゆっくり落ち着いて話すことを心掛けた。自分は原稿をつくって読んだけれど、お便りを読む形式のラジオは難しそうだと思った。」

「人それぞれ構成の仕方が違っていたり、使っているBGMや効果音によってその人の色が出ていた。シンプルに聴いていて楽しかった。」

「耳から得られる情報の幅広さを実感した。」

「自分の好きなことについて語っていた人は、クオリティはさておき、皆熱が入っている感じがして、自分も聞き入ってしまいました。」




 

音声メディアは、文字や映像と違い、視覚的な情報が排除されるため、声の抑揚、話速、間といったパラ言語的要素がリスナーの理解や印象形成に大きな影響を与えます。

「感情を込めたつもりでも、録音すると平坦に聞こえる」といったコメントも複数あり、自分の声を録音・聴取するプロセスを通じて、自分の言語運用能力や表現をメタ認知的に捉える機会にもなったようです。

 

とにもかくにも、大学生たちのポテンシャルの高さを実感した一年目でした。二年目は、今年の先輩たちの秀作をリソースに、より発展的な学びになるようにしていきたいです。