研究

ゼミ活動の中で〜「研究倫理審査」

社会福祉学科(福祉臨床学科)では、3年次・4年次と連続して、“専門ゼミナール”(いわゆる“ゼミ”)に所属し、少人数での活動を行います。その中では、「卒業研究」(卒業論文の執筆など)の研究活動も行います。研究方法によっては、現に生きている人や組織・地域などを対象とした“実証研究”を行う場合もあります。例えば、質問紙やWebを介したアンケート調査、特定の少人数へのインタビュー調査、フィールドでの観察調査などです。

このとき、北星学園大学では「人を対象とする研究・実験に関する研究倫理審査」を受けることを必要としており、それは学生による研究や教育活動についても例外ではありません。

私が担当するゼミでは、今年度は3年生たちが「インクルーシブ教育」をテーマとしたグループ研究を実施しており、特別支援教育が開始された時期に義務教育諸段階を過ごしてきた大学生たちを対象としたWeb調査も行いました。その実施の前には「研究倫理審査」を受け、承認を得ています。多くの学生が協力して下さり、現在、得られた結果を整理し、報告書をまとめているところです。

また、「卒業論文」を履修する4年生たちは、研究テーマに即したレビューをほぼ終え、これからインタビュー調査を行う計画を立てています。テーマはそれぞれですが( 「障害児通所支援における母親への支援」 や「特別支援学校におけるキャリア教育の実態」 など)ですが、これを書いている現在、「研究倫理審査」を受けている最中の学生もおります。承認されましたら、さっそく学外の専門職の方々へインタビューを行わせて頂くようです。なお、理論研究として文献検討のみを行う学生たちは、この「研究倫理審査」の受審は必要とされていませんが、学科で定めている「研究倫理指針」を遵守し、文献引用の方法をはじめとすると様々な倫理的配慮を行いながら研究を行っています。

「研究倫理審査」を受けるためには、いくつかの書類作成が必要です。どのようなテーマで何を目的にどんな方法を実施し、得られたデータをどう取り扱うかなどを簡潔にまとめた「研究計画書」や、調査協力者(対象者)にどのようなことをお願いするかという内容をまとめた「依頼書」、調査の具体的な内容・項目を記した「質問紙(アンケート項目)」や「インタビューガイド」、研究に協力(参加)することを承諾した場合に署名を頂く「同意書」、そして研究の実施にあたりどのような倫理的な配慮や取扱いをするのかを記した「研究倫理審査申請書」などの書類を作成します。学生たちは、自分たちが取り組んでいる研究の目的や方法を倫理的な観点からもきちんと整理し、実施のスケジュールなども確認した上で、「研究倫理審査」を受審しますので、そう簡単なことではありません。しかし、各人が努力して自分たちで得てきたデータは、それぞれに大変に貴重なものです。最終的には「論文」や「報告書」としてまとめられ、学生時代に取り組んだ “研究” の証として卒業後も残されていきます。(西田)

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