教育

精神保健福祉士の実習について(永井順子)

社会福祉学科ではソーシャルワーカーの国家資格である社会福祉士と精神保健福祉士の取得を目指すことができます。どちらの資格もその国家試験受験資格を得るために、大学で指定の科目の単位を修得し、実習(社会福祉士:240時間以上、精神保健福祉士:210時間以上)に行くことが必要です。北星学園大学では、3年次に社会福祉士の実習を終えていることが4年次に精神保健福祉士の実習を履修する条件となっています。私は精神保健福祉士の実習を担当していますが、ここ数年は、平均すると年に14名ほどの学生(現在は福祉臨床学科の学生です)が4年次に精神保健福祉士の実習に臨んでいます。

精神保健福祉士の実習は毎年、夏季休業期間(今年は8月10日~9月17日)を中心に、精神科医療機関において約4週間、地域で精神障害のある人を支援する機関において約2週間の構成で行っています。今まさに今年の4年生が実習中です。帰省先で実習を行う学生もおり、実習地は札幌市内に限らず様々です。教員は原則週1回実習先に訪問指導に出かけるため、夏季休業期間中は自身の研究出張等も含め、各地に出かけていることが多くなります。移動は大変ですが、その疲れも苦にならないほどに、実習中の学生たちの成長には素晴らしいものがあります。それは、学生たちが精神障害のある人と実際に関わり、一人ひとりに寄り添おうと真摯に取り組むがゆえの成果です。

実習前の学習ももちろん重要です。2014年に私が北星学園大学に着任して以降、共に精神保健福祉士の実習を担当する中村和彦先生の発案で『(実習に)役に立つ事典』をクラスで作成してきました。各学生が実習に際して知っておくべき用語を2つ担当して解説を書き、先輩たちが書いた項目も引き継ぎながら、今ではかなりのボリュームになっています。写真のとおり、今年で10冊となりました。最近では表紙の作成も学生たちが行い、実習中、わからない用語を調べることに役立つとともに、同じクラスの仲間の顔を思い出し、励ましを得ることもできるもので、実習先の指導者の方々からも好評です。同じ目標をもつ仲間とともに学ぶことができることは、資格取得を目指す際、大きな力となると思います。

PAGE TOP