教育

社会福祉学科の新設科目「地域デザイン論」の紹介(岡田直人)

 今回は、社会福祉学科の学科専門教育科目の一つ「地域デザイン論」について紹介します。この科目は、社会福祉学科の3つの履修モデル「ソーシャルワーク領域」「地域デザイン領域」「教育臨床領域」のうち、「地域デザイン領域」の中心的な科目となります。

 この科目は、2023年度から始まった社会福祉学科で、新に新設されたものです。担当は、この文章を書いている岡田が担当しています。2023年度は前期(4月~9月)にこの科目が開講されて、すでに1クールが終了しました。既刊の書籍には「地域デザイン」とか「コミュニティデザイン」という言葉がタイトルに入っているものはありますが、「地域デザイン論」「コミュンニティデザイン論」という形でテキストになっているものはありません。また、仮にテキストになっているものがあっても、私が北星の社会福祉学科で伝えたい内容を満たすことはないと考えて、全15回の授業は、私が各方面から集めた情報を基にした内容で授業を展開しました。その内容に、受講してくれた1年生は、大いに興味を持ってくれたようでした。

 では、私が考える本学での「地域デザイン論」の内容を、簡単に紹介します。まずは、北星学園大学に入学する学生のほとんどは、北海道内の出身者です。札幌近郊に限らず、全道域から入学しています。そして、その多くが、卒業後は、札幌近郊か、地元など北海道の各地に就職していきます。学生から感じるのは、北海道が大好きだというものがあります。そして、北海道の地域や人々のために役立ちたいという思いを共通してもっています。そこで、「地域デザイン論」では、北海道のことを知る。特に、北海道そのものや地域を元気にするために役立ちそうな魅力・あらゆる形態の資源を知ることに時間を費やしています。北海道に住んでいて、当たり前になってものが、道外や海外の人々にとっては、大いに魅力に感じられることを知ってもらい、それらを組み合わせて、更に魅力・付加価値の高いものにして、お金を北海道の各地に落としてもらうアイディアを考える機会にしてもらっています。

 そのために、北海道の成り立ちとして、地質、気候、歴史、人、農林水産の恵み、観光、名産品、地方都市について詳しく取り上げています。人ではアイヌや屯田兵についても取り上げます。これらの情報を改めて知り、そのなかに北海道に既にある魅力の再発見をしてもらいます。そして、それらの情報から、今日において、北海道への移住、観光、6次産業化により、札幌近郊に限らず、若い人が雇用できる産業を興し、家庭を持てる地域社会を創っていく。そんなことを考えられる人材を創ることをこの授業の目的にしています。この授業では、北海道の魅力を活かしながら、北海道の人々の暮らしが持続可能となる方策を考えるきっかけにしてもらいたいと考えています。

(写真)2023年11月2日(木)朝の北星学園大学中庭の紅葉の落ち葉

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