研究

福岡市のスクールソーシャルワークを視察する機会をいただきました(大友秀治)

 2023年11月に、福岡市教育委員会と福岡市立学校のご協力のもと、福岡市のスクールソーシャルワーク(以下、SSW)事業と実践の両面を、大学院生の調査に同行し視察する機会をいただきました。福岡市でのSSWは、2008年度から2名のスクールソーシャルワーカー(以下、SSWer)による実践から始まっています。その後徐々に拡大し、今では全中学校区に配置するほか、一部正規職化の導入や、特別支援学校と市立高等学校への配置なども進められていました。

 子どもの声に耳を傾けることを実践の原点とし、子どもの声を代弁するシステムづくりのほか、フード支援団体と連携した朝食の提供、校内居場所づくりなども展開されていました。校内居場所づくりは、全国的には高等学校内での取り組みが一般的です。一方、福岡市では小学校内での居場所づくりも進められ、日常の子どもの声を早期にひろい、それを校内で様々なかたちに「見える化」する実践も着実に進められていました。福岡県スクールソーシャルワーカー協会とも協働しアジア各国のSSWerとのネットワークも構築して、実践の進むべきビジョンの模索が絶え間なく続けられていることも、教えていただきました。

 以上のように、実践の原点を常に問い直しつつ、誰もがワクワクする斬新な試みや、思いがけない目標設定が、関係者に多様な学びとコラボレーションを生み出している、と考えます。これは、SSW領域以外でも大いに参考になります。この度は、「今、ここにいる」人たちと日々向き合う実践に重要な、さまざまな要素を教えていただいた貴重な機会となりました。この場をお借りして改めて関係者の方々に深く感謝申し上げます。

(画像)一般社団法人福岡県スクールソーシャルワーカー協会HPより

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