社会活動

ソーシャルワーカーの研究活動を支援する(池田雅子)

 私は地域福祉や実習関係の科目を担当している池田雅子です。社会福祉専門職教育についての実証的な研究に取り組んでいます。大学の教員にとって、教育や研究の他に「社会活動」も重要な役割の一つです。そこで、最近かかわっている社会活動について紹介します。
 日本ソーシャルワーク学会という全国学会の理事として、社会福祉を実践する「ソーシャルワーカー」の研究活動支援に携わっています。まず、2019年に理事会の研究推進チームで『ソーシャルワーカーのための研究ガイドブック』を編集し出版しました。さらにガイドブックの内容に基づいて、実践研究支援ワークショップという3日間の研修会を毎年開催し、講師の一人として講義と演習を担当しています。
 コロナ禍の2021年からスタートしたためオンライン開催となり、受講者は30名程度。病院、地域包括支援センター、子どもの家庭支援施設など様々な領域で働くソーシャルワーカーが全国から参加します。社会福祉の仕事をするには、大学で勉強して終わりでなく、働いてからも日々研鑽を重ねる必要があります。社会状況や福祉課題が変化し、対応する知識や技術を身に付けるためです。また他の専門職との連携も重要です。連携する機会の多い医師や看護師、リハビリなどの専門職は、実践の成果を学会で報告し、論文にまとめるなど研究活動にも盛んに取り組んでいます。実践から新たな理論が生まれることもあります。ところがソーシャルワーカーは熱心に実践しても、研究活動への取り組みは、やや遅れをとっています。そのためワークショップを開催し、日ごろの実践や問題意識をもとに研究としてまとめ、次のステップに進みたいという社会福祉実践者を支援することはとは本当に大切な仕事だと考えます。昨年、仙台で開かれた学会では、ワークショップ受講者から数名が学会報告にこぎつけました。報告を終え自信に満ちた顔を見ると、これからもできる限り、応援を続けたいと強く思いました。

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