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【心コミ・リレーエッセイ 第12回:「フィールドに出られなくても」(寺林暁良/専任講師 専門:環境社会学・地域社会学)】new

2020/07/20

前回はフィールドワークのおもしろさを紹介しましたが、新型コロナウィルス感染症の流行によって、フィールドワークどころではない世の中になってしまいました。私も3月以降の調査を全てキャンセルせざるをえませんでした。ゼミの学生たちが行っている共同調査についても、今年はまだ一度も調査地に行くことができていません。しかし、何もできなくなってしまったかというと、そうではありません。なぜなら、フィールドワークは自宅のパソコンから始められるからです。


フィールドワーカーは、現地に行く前に書籍や新聞記事、雑誌記事、統計集、地図などあらゆる資料を集めて、対象について調べまくります。事前に調べられる情報は全て調べて整理しておくのがフィールドワークの鉄則であり、調査先への礼儀です。このような資料調査は、オンラインのデータベースが発達した現在では、自宅からでもかなりのところまで進められます。地図サイトでパノラマ写真を開けば、現地訪問の擬似体験ができます。郷土誌や新聞記事で思いがけないエピソードに出会い、驚嘆することもあります。


このような“調べる力”を身につけていれば、フィールドに出られなくたって、フィールドワークはやっぱりおもしろいのです。


第2回:「フィールドワークはおもしろい」