福祉計画学科の学びの特徴4つのポイント

現代におけるグローバル化の進展によって海外はますます身近な存在となってきています。

日本の福祉課題への対応を考える際にも、諸外国における取り組みや先進事例を理解することは有益です。

福祉計画学科では、国際比較の視点から諸外国と日本の福祉を学び、その共通性と差異性を踏まえた21世紀に求められる福祉のあり方について深く探求できる科目を配置することで国際的視点・感覚を養います。

講義ピックアップ①

海外の福祉制度

1年次における諸外国への理解を深める入り口として

本科目では、アメリカ、イギリス、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ニュージーランドの福祉制度を概観します。各国に共通する社会福祉制度の課題や国ごとにみられる個別的な福祉問題について、諸外国の歴史、社会経済構造、政治体制を取り上げ紹介します。諸外国の福祉制度の概要を知ることで、日本を相対的に捉えなおす視点を得ることに加え、海外福祉計画実習の履修への道案内としても位置づけられています。

講義ピックアップ②

国際比較福祉論

国際比較の視点を学び世界の中の日本を理解する

本科目は福祉の国際教育の一環として位置づけられています。諸外国の福祉に関する知識を獲得することで日本の福祉を相対化すること、福祉の国際比較を基に日本の福祉の長所と短所の理解や、必要に応じて改善を提案・検討したりする能力を身につけることが狙いです。1年次開講の「海外の福祉制度」の発展科目でもあります。2021年度はアメリカ・イギリス・ドイツ・デンマークの福祉政策や実践、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)等に焦点をあて、各国の現状を紹介・考察します。「国際比較」の視点を理解することも大きな目的の1つになっています。

講義ピックアップ③

福祉国家論

福祉国家の多面的考察から未来を展望する

「福祉国家」の典型的モデルとして北欧諸国がイメージされることが多いですが、これは1つの価値観を反映しています。「目指すべき理想としての北欧モデル」という場合がそれにあたります。1980年代以降,世界では福祉国家の国際比較研究(比較福祉国家論)が盛んになり、「福祉国家には複数のタイプ(型)が存在する」という主張が支配的になりました。その中で日本はどのような位置づけになっているのでしょうか。この科目では福祉国家について多様な観点から考察し、具体例も交えながら私たちの生活と福祉国家の関係の現状と今後の展望について考えます。

履修学生に聞いた体験型プログラム②

船木さんの顔写真
船木 千聖北星学園大学附属高等学校 出身

[海外福祉計画実習]海外の福祉動向を現地で学び視野を広げる

[海外で多様性と一人ひとりの生き方、文化の大切さを体感する]

私は海外の福祉に関心があり、2年生の時にタイの児童養護施 設でボランティアに参加し、その経験から“海外(現地)で体感し、学ぶことの重要性”を感じました。そこで私は、海外の福祉制度やソーシャルワークを深く学びたいと思い海外福祉計画実習で履修しました。実習では、ニュージーランドのカンタベリー大学や各医療福祉機関・施設へ訪問し、福祉や医療制度、ソーシャルワーク、貧困等について講義やフィールドワークを通して学びました。その中で今でもニュージーランドでは、マオリという先住民の文化が護られ、受け継がれていることに感銘を受けました。実際に、私たちがマオリの集会場(マラエ)に訪問した際、マオリのあいさつで出迎えてくれました。そして福祉や医療においても、マオリの文化を尊重し、市民と平等にサービスが受けられる制度やプログラム等があることを学びました。多様性が認められ求められる時代、当たり前に、一人ひとりの生き方が違うように、文化・習慣が尊重されることの大切さを学びました。