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英語学習は長い旅|学びを楽しみましょう

BY: 江口 均

英文学科 准教授

専門領域:英語教育学, 第二言語習得論、英語教育、第二言語習得、第二言語獲得、海外語学研修。「English Communication」ゼミを担当。

今日は、「自分は英語の学習がみんなより遅い」「英語が話せない」と思っている人に向けて、メッセージを送ります。私は英語の学習を40年以上続けてきた経験から、英語ができるようになる喜び、上達するまでの困難さをよく知っています。私も最初からできたわけではないです。

まず、北星学園大学の英文学科は、優れた英語教育を提供していると思います。多くの学生が、私たちのプログラムを通じて高い英語力を習得してきました。そんな周りを見て流暢に話す同級生と自分の英語力を比較し、「自分は英語が苦手」、「素質がないかもしれない」と感じるかもしれません。こういう思いは、英語の学習に悪影響を与え、自信を持って話せるようになる希望を失わせる可能性があります。気持ちを前向きにいきましょうね。

そこで、皆さんに強調したいのは、今、自分と他の人との英語力の差は思っているほど大きくないということです。この小さな違いが、時には大きな差のように見えているのです。

下の図は、学習曲線です。曲線を見ると、初めの段階では進歩が早いですが、徐々にゆっくりになっていくのがわかります。

Alan Fletcher 2013 CC-SA

学習を始めたばかりはすごく伸びます。つまりは、今、できる人はちょっと早く始めた人なんです。あなたも今から英語の勉強を始めても、十分に他の人の英語力に追いつくことは可能です。なので、早い段階で諦めないでください。自信をなくすことは、英語の学習の障害となることがあります。

学習においては、一歩一歩進むことが大切です。たとえそれが、わずかな単語やフレーズを覚えただけだとしても、小さな進歩は大きな成果に結びつきます。私は24歳で英語を話し始めましたが、固い決意と継続的な努力により、すらすらと話せるレベルまでスキルを伸ばすことができました。大学時代は全く話せなかったんですよ。

一方で、既に流暢な英語力を持っている人も、日々の学習は欠かせません。常に練習と努力を怠らず、自分の英語力を維持し向上させなければ、せっかく身についたスキルを忘れてしまいます。先ほどの学習曲線で見たとおり、学ぶほどに学習速度が遅くなるからこそ、そこからさらに上達するにはより一層の努力が必要です。

英語力を向上させるために、積極的に新しい人々と出会い、様々な場面で英語で会話をする経験を積むことです。ChatGPTのようなツールを活用して難しいテーマでのディベートに参加することで、英語力の向上はもちろん、興味を持てる学問や分野とも出会え、さらなる高みを目指すチャンスもあります。

英語の学習は一生涯にわたる冒険であり、まさに山あり谷ありといった出来事の連続です。まずは、この旅を楽しむことを忘れないでください。そして将来は、多様な文化や背景を持つ人たちとつながる架け橋となり、グローバル社会のおおいに貢献できる人になってください。