BLOG北星英文ブログ
先日はその1の話を公開しましたが、今日はその続きです!
英文学科 教授
グローバル・スタディーズコースの科目を担当し、国際関係や環境・貧困・戦争と平和などのグローバルな問題について政治・歴史・文化・経済・社会・ジェンダーなど多様な視点から考える授業を展開している。
ロシア語を勉強し始めたのは、高校生1年生の時です。研修でソ連に行く機会がありました。子供のころからロシアのバレエや音楽、そして文学が好きでしたが、モスクワやレニングラードで素晴らしい舞台をたくさん観て大変感動しました。そして舞台を支える多くの人々と触れ合い、ロシアに魅了されたのです。
ただその一方で負の側面も目の当たりにしました。ホテルを含めてレストランでは通常メニューがあってもその日に提供できるものは限られているので、「これを注文したいです。」というのではなく、まず「何がありますか。」と聞くことを覚えました。また、建物の入り口や階段が常に真暗なのは、物資不足のために新しい電球をつけるとすぐに盗まれるから、と聞いて驚きました。芸術面の豊かさと不便な日常生活のギャップに興味をそそられました。
本格的にロシア語を学び始めたのは大学に入ってからです。留学や長期の研究滞在で学びを深めました。研究では数多くのロシア語の文献を読みますし、インタビューもします。また口頭や論文形式で研究発表をロシア語で行うことがあります。最近会話の機会はめっきり減ってしまいました。コロナ禍が終息したら出来るだけ早く史料収集に行きたいと思っています。
幸運なことに、私は芸術からロシアに興味を持ちました。凍てつく大地で、素晴らしい芸術が生まれ、その伝統が数々の試練を乗り越えて生きながらえ、発展を続けているというところに魅力を感じます。その原動力はそこに住む人々の内にあると思います。
それからロシア人や旧ソ連人女性の知性とパワーには常に勇気づけられています。拙書によって、少しでも多くの方に、戦後のソ連の発展がどれほど女性たちに支えられたものなのかについて理解を深めていただければ大変嬉しいです。
ロシア人は他人に対しては表情が固く、冷たい印象を与えがちです。モスクワで地下鉄に乗り周りを見渡すと、固い表情が並び、いつも少し緊張感が漂っている気がします。でもひとたび知り合いになると、ロシア人はすごく人懐っこく、気さくで情が深い人が多いと思います。
日本人同士だと気を遣ってなかなか頼めないようなことも、ロシア人だとすぐに快く引き受けてくれたりして、びっくりします。友達になればこちらも少し驚くようなことを頼まれることがあるのですが、一肌脱がねば、という気持ちになります。
似ているところは、ヨーロッパとアジアという二つの異なる文化や価値観のバランスの中で生きている点と、忍耐強い点でしょうか。
たくさんありますよ。日本であまり知られていないものとしては、シールニキというコッテージチーズで作るパンケーキの様なものが大好きです。スメタナという、サワークリームとヨーグルトの合いの子の様なものと、ヴァレーニエという、普通のジャムよりずっと水っぽい果物のソースをかけて朝食やおやつに食べます。
日本でもよく知られているボルシチやピロシキも美味しいです。酢漬けや塩漬けのお魚は日本人の口にとても合います。ブリニィというクレープは、昔はキャビアをたっぷりのせて、おなか一杯食べることが出来ました。今考えると信じられないくらいの贅沢ですね。近年ではキャビアが取れなくなってしまったのでイクラやスモークサーモンをのせて食べることが多いです。ちなみに、ロシア語で「黒いイクラ」と言えばキャビアのことで、「赤いイクラ」と言えば、日本で食べるイクラのことを指します。
それから何といっても美味しいのがパンです。私がロシアにいったら必ず黒パン(ライ麦)を持って帰ります。黒パンにはいろんな種類があってどれも好きですが、バラヂンスキーという種類が大好物です。ロシア人の方に「お土産に何が欲しい?」と聞かれると必ずバラヂンスキーを頼みます。
もともと去年から今年にかけて史料収集や研究発表で行く予定がありましたが、残念ながらコロナ感染の拡大で行けなくなり、発表はオンラインになりました。行ける環境が整ったら、出来るだけ早く行きたいです。
たくさんあります。独ソ戦の激戦地となったことで有名なヴォルゴグラードや、文化的、地政学的にも重要な黒海には是非一度行ってみたいですね。それからもともと強制収容所網の拠点として発展した都市、マガダンなどもその暗い歴史の重みを肌で感じるために冬に行ってみたい場所の一つです。
日本に近いところでは、カムチャッカ半島にも行きたいです。とても自然の美しいところだと聞いています。ハイキングがしたいので、是非夏に行きたいです。