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2025年11月17日
文学部 山本 範子 教授が、筆名の立原 透耶として監修と共訳を手掛けた書籍が11月10日に出版されました。
中国SF四天王のひとり、韓松(ハン・ソン/かんしょう)の長編SF。人類が地上に住めなくなった未来、遺伝子工学によって創られた「水棲人」が生きる「紅い海」の世界を描いた、哲学的かつ挑戦的な作品。本書の監修者、立原透耶氏が劉慈欣氏の『三体』以外で「最も読みたい、訳したい長編」と推奨している。
第一部 我々の現在(林久之訳)
食糧の採取が困難になりつつある紅い海洋で生まれた水棲人・海星は、兄弟姉妹と離れ、ひとり食糧を求めて旅立つ。やがて、同族を殺して食糧とする集団に出会い、リーダー・屍蛇の死後、その跡を継ぐ。海星は伝説の海底城を目指すが、旅の果てに待つものは――。
第二部 我々の過去(上原かおり訳)
冒頭では、水棲人の祖先・漿木による創世神話が語られ、海洋の色が青から紅へと変わった理由が示される。以降、青い海、海底城、陸地の伝説、ロボット化した水棲人など、異なる水棲人たちの物語が章ごとに展開される。
第三部 我々の過去の過去(立原透耶訳)
資源が枯渇した地球で、宇宙へ進出したホワイト人と、陸地に残った人々との戦争が勃発。冒頭では水棲人創出の過程が詳細に描かれ、以降、戦前・戦中・戦後にわたる人類の営みが語られる。
第四部 我々の未来(大恵和実訳)
中国史と実在の人物を下敷きに、紅い水にまつわる物語が展開される。最終章では、明代の鄭和が大船団を率い、紅色海洋の予言に抗うべく欧州を目指す壮大な航海が描かれる。
※新紀元社HPより
書籍についての詳細は 新紀元社HP をご覧ください。
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